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大河ドラマ 「いだてん 〜東京オリムピック噺(ばなし)〜 」 第一部 感想



大河ドラマ いだてん

大河ドラマ「いだてん 〜東京オリムピック噺(ばなし)〜」の感想です。一応、毎週観てはいたのですが、週一の感想がなかなか書けそうになかったので、第一部終了時点での感想になります。

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金栗四三という男

第一部の主人公である金栗四三(中村勘九郎)。正直、世間的にはそれほど有名ではないと思います。陸上競技の世界では名が残ってはいますが。日本で初のオリンピック選手であった四三ですが、オリンピックでの成績で言えば特になにも残してません。その彼を主人公にどういう話ができるのだろうかわかりませんでした。

元々はただ走るのが好きというだけの男です。それが、羽田競技場のマラソン競技に出場したのがきっかけで、日本初のオリンピック選手になるという訳です。羽田での記録では当時の世界記録でもあったし、本人もメダルを取る気であったと思います。最初に出場したストックホルムオリンピック。四三は、熱中症でコースアウト。行方不明となり棄権あつかいにはなりませんが、事実上の棄権でした。敗因は、ドラマの中でもありましたが、日本選手へのサポート体制があまりにもなさすぎたというところでしょう。白夜の中での生活や、北欧ではありますが当日の気温なども含めて、対策は十分ではなかったんですね。

最初の挫折となったストックホルムオリンピック。四三からすれば、これは最初の挫折に過ぎず、これから何度も訪れる壁との戦いの始まりに過ぎなかったわけですよ。前回大会オリンピックの反省を活かし、自身の年齢的にも最高のパフォーマンスが出せるはずだったベルリンオリンピックは第一次世界大戦で中止に。4年間オリンピックのためだけに過ごしてきました。見合い結婚だったスヤ(綾瀬はるか)のいる熊本へも帰らず。

結果的に、四三は第一線からは退く決意を固めるわけですが、どちらかというとこれからの四三の功績の方が日本の陸上界、スポーツ界にとっては大きかったと思われます。彼は育成側に回ります。自ら後輩たちを育て、陸上競技、マラソンの普及のために様々な大会を企画。自ら先頭にたって走りました。
そして、自身2回目のオリンピック出場。すでに全盛期ではなかったかもしれませんが、日本選手のトップ16位で初の完走となりました。ここで四三は、傷心旅行のドイツ訪問中にたくましくもスポーツにいそしむ女子選手たちと遭遇。四三は、女子の体育普及に関わるようになっていきました。

第一部の最後は関東大震災と、そこからの復興へというところで終了です。金栗四三とは何者だったのか。第一部最終回のサブタイトル「種まく人」につながっていくのでしょう。

美濃部孝蔵/古今亭志ん生

この主人公とほとんど接点もない孝蔵/志ん生パート。これがどういう役割なのかってのはずっとわからないままでした。一応、四三の時代と第二部をつなぐ役割もあったんでしょうが、四三と関係のない話をここまでやるのかってのもありました。

ラスト2話での関東大震災。この語り部となるのは四三ではなくて、孝蔵/志ん生である必要があったという事でしょう。この大震災で一番の被災地となった浅草周辺。ここでの関わりあいからすると、四三だけでは足りなかった。なお、志ん生役のビートたけしは、浅草出身。若き日の志ん生・孝蔵役の山本未來は、阪神大震災の経験者。この2人に、「浅草の町が、たった2日で消えた」と語らせる訳ですよ。

そして、孝蔵が語る落語「富久」、若き日の四三が走っていた孝蔵とすれ違う場面。関東大震災で消失した浅草、日本橋、芝という地域と重なっているのがまた、ここにつながってきたとうのが凄い。

関東大震災

いだてん第一部のラスト2話は、関東大震災がメインとなっています。震災から起きた流言であったりといったところも描写されています。熊本へ戻った四三が聞かされた震災の様子は、自身が経験したものとは違っていて、当時の情報伝達が今とは違うとはいえ、全く違うものになっているのは感慨深いです。

今回の関東大震災は、火災のシーンも含めてかなり直接的な描写が多くなっています。以前、宮藤官九郎が朝ドラ「あまちゃん」では、東日本大震災から数年という事と、宮藤官九郎自身が東北の地で震災を経験していないという事もあり間接的な表現が多くなってましたので、今回はかなり踏み込んだ描写となりました。

嘉納治五郎が建設を進めていた神宮競技場。これがバラック避難所になるんですよね。そして、バラックで行われた大運動会であり、孝蔵たちの寄席。あまちゃんでは、それがアイドルであり歌であり芸能でしたが、今回はそれがスポーツであったり、演芸・お笑いであったりという部分で重なっています。東日本大震災当時、お笑いの人たちは自分たちに何ができるのかってのを考えたと思います。こんなときにお笑い!?と。でも、人間ずっとふさぎ込んでいるわけにはいかないし、笑う事、体を動かす事が、こういうときにこそ大事だってのが、いまさらながら語られたのだと思います。

シマちゃん先生

この作品のオリジナルキャラクターで、実在の人物ではないのですが、実に第一部の影の主人公とも呼ぶべきがシマちゃん先生(杉咲花)だったと思います。

初登場時は、四三と同じく初のオリンピックに出場した三島弥彦の家で女中をしていました。その後、四三のお隣へと引っ越してきて、四三の影響を受けます。実際には、三島家にいるときから走ることに興味はあったような気がしますが。女性がスポーツをする事が、当時はまだまだなかった時代。四三の影響もあったでしょうし、二階堂トクヨに師事した事もあり、走る事に目覚めるわけですが、増野との結婚・出産もあり自らがオリンピック選手を目指すというわけにはいきませんでした。

ただ、四三と同じ東京府立第二高等女学校の教師として、女子スポーツの推進役になります。さらに、人見絹枝の素質を見出して陸上界に引っ張り出した存在として描かれています。「種まく人」のサブタイトルは、四三だけじゃなくシマちゃん先生のものだったのではないかとも思えてきます。シマちゃん先生が見出した人見絹枝がのちにオリンピックでメダルを取るという事になるわけですから。

なお、志ん生の弟子としてやってきた、五りん(神木隆之介)の祖母がシマちゃん先生である事が、第23回で明らかとなります。旦那さんの増野さんは孝蔵の落語を観ていたかもしれないし、その子が満州で志ん生の寄席を観ていたと考えると、すごい繋がりを感じます。

すべてはラスト2話へ、そして第二部

いだてんは、視聴率が全く振るわなくて、打ち切りもあるのではと言われているくらいで、実際四三や志ん生の話をされてもなかなかおもしろいとは思われなかったとは思います。そもそも、大河で近現代をやるのすら相当久しぶりの事ですから。

関東大震災がメインではありますが、ここに第一部のお話のいろんな事が繋がってきていて、ようやくいだてんの面白さがわかってきたという気がしました。もう、それまでのお話を観てないとここにつながらないというのがまた難しい。ここまでずっと観続けてきた人だけへのご褒美の様なラストでしたね。

第一部最終回は、人見絹枝を始め、三島弥彦が出てきたりと、第一部オールスターの様相になりましたが、人見絹枝は岡山から出てきていないだろうし、三島弥彦に至っては震災当時日本にいなかったという話なので、完全にフィクションでしょうね。ただ、この終わり方はこれで良かったと思います。震災の話の最後としては明るく終えれたのは良かったと思います。

ここで、関東大震災をだして来たという事は、第二部では幻の東京オリンピックもあり、太平洋戦争もありという事で、どういう話が盛り込まれるのか興味深いですね。前回東京オリンピック招致までの壮絶な物語

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