女子アジアカップ2014 決勝 なでしこジャパンvsオーストラリア女子 悲願の女子アジアカップ初制覇!!

AFC女子アジアカップ2014 決勝 なでしこジャパンvsオーストラリア女子代表の試合をNHK BS1の生中継をテレビ観戦しました。
日本女子代表のこれまでの最高位は準優勝です。2011年W杯を制覇しても、アジアで頂点を極めていないのです。
どうしても掴み取りたいアジア王者の座を取れる所まであと1歩となりました。
相手は、グループリーグ初戦と同じオーストラリアです。2点を先行された後に、なんとか追いつきました。その時に得点を奪った大儀見はいません。
オーストラリアは前回大会の王者でもありますし、この相手に勝ってアジア王者というのは価値あるものだと思います。
試合展開
なでしこの先発は、GKに福元、CBに岩清水と川村、右SBに有吉、左SBに宇津木、ボランチに澤と阪口、右SHに中島、左SHに川澄、トップ下に宮間、1トップに高瀬という布陣でした。
中国戦では、高瀬と川澄の2トップでスタートしましたが、しっくりこず。後半から機能した、宮間のトップ下、川澄が左SHという布陣を頭から使ってきました。
序盤、オーストラリアが攻勢にでます。
開始早々に、オーストラリアに攻めこまれシュートに持ち込まれるもののバーの上にはずれて助かります。
その後も、オーストラリアの攻勢に押し込まれる展開となります。
初戦と同様に、オーストラリアのプレッシャーに苦しめられます。
なでしこは、前半15分。FKから競り合いのこぼれ球が浮いたところを高瀬がオーバーヘッドで狙いますが、これはGKの守備範囲内に飛んでゴールとはいきません。
オーストラリアのプレッシャーに慣れてきた事もあり、徐々になでしこがボールを回す時間が長くなります。
決定的なチャンスとはならないものの、なでしこが多くのチャンスを作りますが、ゴールが奪えません。
前半23分、なでしこのCKのチャンスでしたが、ショートコーナーでボールを奪われてそのままカウンターを浴びますが、最後は相手が転んでくれて助かりました。
前半27分、宮間のクロスに川澄が反応するものの、相手がCKに逃げます。
このCKは、宮間から一旦宇津木に戻します。宇津木の高いクロスにファーにいた岩清水が角度のないところから押し込みます。バーに当たったボールはそのままゴールインとなりましたが、澤が押し込んでダメを押します。
結局、岩清水のゴールとなり、なでしこが先制点をあげます。
オーストラリアの運動量が落ちてきた事もあり、なでしこがこの後もペースを握る展開となります。
前半33分には、川澄が左サイドを突破して、クロスに高瀬がシュートを放ちますが阻まれてしまいます。
前半37分、宮間がボールを持ってタメを作ると、左サイドの川澄にスルーパス。川澄がそのまま左サイドを突破して折り返すが、高瀬にはわずかに合わず。
ここからは、オーストラリアが再び盛り返してきましたが、なんとか凌ぎ切り1-0で前半を終えます。
後半も序盤にオーストラリアの攻勢を受けます。
なでしこもCKのチャンスがあり、その後も一進一退の攻防となります。
後半10分を過ぎると、オーストラリアがペースを握る展開が長くなります。
危ない場面を何度も作られますが、ここはなんとか凌ぎ切ります。
後半19分、澤に代えて菅澤を投入します。宮間がボランチに下がって、高瀬と菅澤の2トップとなります。
後半22分、菅澤がフリーとなりシュートもバーに当ってしまいます。跳ね返ったボールはラインを割ってないという判定でノーゴールとなります。
その直後のオーストラリアの攻撃、右サイドからクロスをあげられゴールに押し込まれますが、これはオフサイドで助かります。
オーストラリアの猛攻に押される展開が続きます。
後半30分、菅澤がボールを奪って、最後は高瀬にパスも相手にカットサれてしまいます。
後半30分、中島に代えて後藤を投入します。
後半31分、左サイドから川澄がボールを入れて菅澤が反応するも相手に当ってCKに。
このCKから競り合いとなりこぼれたボールに川村がシュートも相手にあたってしまいます。
オーストラリアの猛攻もなんとか凌いで時間が過ぎていきます。
後半38分、高瀬に代えて吉良を投入します。
後半40分を回って、ようやくなでしこが盛り返してきます。追加点を奪いたいところでしたが、ゴールは生まれず。
終盤、オーストラリアに連続シュートを打たれるものの、ことごとく弾き返します。
ATの3分も凌ぎ切り、このまま1-0で勝利します。なでしこジャパンがアジアカップ初優勝となりました。
戦評
ついにという感じではありますが、なでしこジャパンがアジア王者となりました。
初戦に対戦したオーストラリア相手に、うまく修正できた部分とそうでない部分もありました。大儀見がいない中で、得点がなかなか生まれないというのも、ある程度は想定内だったと思います。
序盤にオーストラリアの攻勢に押される展開となったのは、初戦と同じでしたが、思ったほどオーストラリアの圧力が続きませんでした。
連戦による疲れもあったし、なでしこの方も圧力から逃れながらパスを繋げだしたというところで、より体力を奪っていったというのがあります。
プレッシャーをかけてくる相手に、こうしてボールをワンタッチで回す事が出来れば、相手の体力を奪う事も出来ます。
この試合では、ここまで中々高い位置で仕事が出来なかった右SBの有吉が高い位置を取るシーンが多くありました。
阪口辺りがスライドして、有吉をうまく押し上げていたと思います。
アジアカップでは結局無得点でしたが、高瀬もいつも以上に積極的にシュートを打っていました。
高瀬は、次世代のエースを狙ってもらいたいところですが、まだまだというところですかね。とはいえ、アジアカップでは相当経験を積むことが出来たと思います。どこかで、きっかけがつかめれば点が取れるようになると思うのですが。
今大会の不安要素でもあったCBですが、川村がよくやってくれました。本来のポジションではありませんでしたが、決勝では川村をMVPに推す声も多かったくらいです。
若手との融合と成長がなければアジアカップを取るのは難しいかもという思いも多少はありましたが、結果的には優勝までたどり着きました。
準決勝、決勝で得点を奪ったのはベテランの澤や岩清水というところですが、それでも川村、高瀬らがチームの軸としてやれた事は収穫だったと思います。
海外組が多数招集出来なかったなかでのアジアカップは自信にもなると思います。来年のW杯では、海外組も入ってくるでしょうから、このチーム以上に強くなるとは思います。
ただ、今大会は全ての選手が出場しているとはいえ、まだまだというところもあります。2012年のU-20W杯で活躍した世代や、その1つ下の世代も含めて、もっともっとこの中に割って入ってもらいたいところではあります。
なでしこジャパンは9月に山形で試合があり、その後はアジア大会があります。来年のW杯までにどこまで積み上げが出来るかというところでしょう。
あらためて、なでしこジャパンの女子アジアカップ優勝おめでとう!!
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