フランス女子vsなでしこジャパン オリンピック前哨戦は完敗

なでしこジャパンのオリンピック前最後の強化試合、フランス女子代表vsなでしこジャパンの試合を日テレの生中継でテレビ観戦しました。
試合経過
昨年の女子W杯にも出場した強豪国の中で、日本が対戦しなかった国の一つ。ブラジル女子代表とは日本での親善試合で戦ったが、フランス女子代表とは4年ほど対戦がなかった。
未知の相手であると同時に、なでしこ同様ここ数年でググッと力が伸びてきているチームだ。さらに、オリンピック本番でも準々決勝で当たる可能性があり、この一戦はその前哨戦でもある。
なでしこの先発は、GKに福元、CBに熊谷と岩清水、右SBに近賀、左SBに鮫島、ボランチに澤と阪口、右SHに大野、左SHに宮間、2トップに大儀見と川澄という布陣。
| 9.川澄 | 17.大儀見 | ||
| 8.宮間 | 11.大野 | ||
| 10.澤 | 6.阪口 | ||
| 5.鮫島 | 2.近賀 | ||
| 3.岩清水 | 5.熊谷 | ||
| 1.福元 | |||
立ち上がりから、フランスがペースを握る展開に。
なでしこは、どうも動きが重く、フランスのプレッシャーにうまくパスが繋げない。さらに、身体能力がありスピードも速いフランスの選手になかなかついていけず、ピンチを何度も作られる。
ボランチの澤、阪口のところにかなり狙われていて、前にボールがなかなか運べない。サイドでも近賀、鮫島が前に上がっていく機会がすくなく手詰まりとなってしまった。
ただ、それでも、なでしこは序盤の猛攻を凌ぎ切り、少しづつボールが繋げるようになる。まだまだ単発でのチャンスではあったが、判断を早くしてボールを回せればチャンスにつながった。
それでも、フランスの勢いは止まらない。前半24分、アーリークロス気味に入れられたボール。ドゥリが熊谷と岩清水の間を並走しながら、すり抜けて独走。最後は、GKと1対1となり、冷静に決められた。なでしこが先制点を許す。
その後、なでしこが徐々に反撃を開始。終盤にはゴール前の絶好の位置でFK。これは、相手GKがさわってはじくが、こぼれ球を澤がひろってシュート。これは、逆サイドのポストにあたって外れてしまう。
さらに波状攻撃から大儀見がシュートを放つがGKに防がれる。
終盤はなでしこが押し返したが得点を奪えず。1点ビハインドで折り返す。
後半、GKを海掘に交替する。
後半、フランスが、前半よりはペースダウンした事もあり、なでしこが主導権を握る事になる。
一人ひとりの運動量も増えた事で、攻守にリズムが出始める。
ただ、この日はゴールが遠い。フランスもゴール前が固く、なかなかゴールをこじ開ける事が出来ない。
なでしこは、後半22分川澄に代えて、怪我明けの岩渕真奈を投入。
この岩渕がからんでリズムがよくなるかに思えたが、逆にフランスに追撃を許す。
後半28分、CKを見事に決められて2-0と突き放される。
なでしこは、大野に代えて安藤を投入し追撃に出る。
だが、後半持ち直した運動量も徐々に落ち始めて、なかなか決定機も作れず。
岩渕もうまく相手にコースを塞がれて、ドリブル突破ができず。
結局、このままスコアは動かず。2-0でフランス女子が勝利した。
| 16.岩渕 | 17.大儀見 | ||
| 8.宮間 | 9.安藤 | ||
| 10.澤 | 6.阪口 | ||
| 5.鮫島 | 2.近賀 | ||
| 3.岩清水 | 5.熊谷 | ||
| 18.海堀 | |||
戦評
この試合に限らずだが、今年のなでしこは、遠征の初戦の動きが悪い。アルガルベにしろ、スウェーデン遠征にしろ、らしさが見られなかった。
スウェーデン遠征では、アメリカのできもよく完敗を喫してしまっている。
さらに、今回はオリンピック本体会を前にして、負荷を上げているところと思われ、一試合を通じて運動量が少なく、判断が遅かった。
日本の速いパス回しには、運動量と判断の速さが不可欠で、それがなくなったなでしこはやはりこのくらいの強い相手には通用しない。
澤の試合勘が戻ってきているのは好材料だが、この日はキャプテン宮間が消える事が多く、セットプレー以外での見せ場なかった。
鮫島が攻守に相手にスピード負けするなど、いつものなでしこの攻撃が出来なかったのも致し方なかったかもしれない。
ただ、前半の途中から後半にかけて、なでしこらしいパス回しも出来たし、チャンスも作れていた。結果は完敗だったが、十分に太刀打ち出来る相手だとも思う。
フランスは、オリンピック初戦でアメリカと当たる事もあり、なでしこ以上に初戦でピークに持っていく事を意識しているのだと思う。コンディションに差があったのも、その為だろう。
それにしても、フランスのサッカーはよかった。女子でヨーロッパの強豪といえば、ドイツやスウェーデンといった体格のいいチームが多いが、フランスはそこまでのフィジカルはないが、組織的で個人能力の高い選手が多い。どちらかというと、なでしこに近いタイプのチームだった。
しかも、身体能力ではなでしこの個々をうわまわっている訳で、この上なくやりにくい相手だった。パス回しの精度では、まだなでしこに一日の長がありそうだが、この先を考えるとアメリカなんかよりも大きなライバルになるかもしれない。
W杯で戦わなかった、最後の強豪フランス女子代表とこの時期にやれたのはよかった。本大会前に、肌感覚として、フランスの強さを感じ取れたのは、本大会で当たった時にものを言うだろうから。
これで、今年はドイツ、アメリカ、フランスに敗れている。簡単にはオリンピックでメダルは取らせてくれないだろう。ただ、それでも、なでしこは、なでしこらしい試合をして勝ってもらいたい。コンディションをうまく調整して、オリンピックではいつものなでしこを見せてもらえると思っている。
選手評価
GK 福元 6.0
GK 海堀 6.0
DF 熊谷 5.5
DF 岩清水 6.0
DF 近賀 5.5
DF 鮫島 5.0
MF 宮間 5.5
MF 澤 6.0
MF 阪口 5.5
MF 大野 5.5
FW 大儀見 6.0
FW 川澄 5.5
FW 岩渕 5.0
FW 安藤 5.0
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