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ロンドン五輪 決勝 なでしこジャパンvsアメリカ女子 冒険の終わりと始まり 涙と笑顔の銀メダル



ロンドン五輪 ファイナル

ロンドンオリンピックのサッカー女子 決勝 なでしこジャパンvsアメリカ女子代表の試合をNHK総合の生中継でテレビ観戦しました。

試合経過

なでしこの先発は、GKに福元、CBに岩清水と熊谷、右SBに近賀、左SBに鮫島、ボランチに澤と阪口、右SHに宮間、左SHに川澄、2トップに大儀見と大野という布陣。

なでしこジャパン ロンドン五輪 決勝 vsアメリカ女子代表 先発フォーメーション
11.大野 17.大儀見
9.川澄 8.宮間
10.澤 6.阪口
5.鮫島 2.近賀
3.岩清水 5.熊谷
1.福元
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試合は、アメリカが積極的に出てきて主導権を握る。ロングボールを交えて、シュートも遠目から打ってきたが福元の守備範囲に収まる。

だが前半8分、日本の右サイドからボールを入れられてモーガンに収まる。うまくゴールライン沿いにモーガンを押し込むが角度のないところから折り返されて、走りこんできたロイドにヘッドで合わされる。ゴール前にいた、ワンバックに気をとられてロイドに対応出来なかった。

しかし、試合は徐々になでしこがペースを握り始める。

ボールが回るようになると、川澄が左サイドから積極的に仕掛けていく。

前半17分には、左サイドからの川澄が入れたボールに大儀見がシュートもバーに当たってしまう。

前半24分、大野がドリブルでしかけると倒されてファウル。このFKは、相手の手に当たったがハンドのファウルは取ってもらえず。ハンドならPKという場面だったが・・・。

その後も、なでしこが攻め立てるが、なかなかゴールが生まれない。

終盤は、アメリカも反撃し、ミスもありピンチもあったが、追加点は奪わせず。

前半は、アメリカが1点をリードして終える。

後半、1点を追うなでしこが積極的に仕掛ける。

シュートまでは持ち込めているが、枠に飛ばない。

すると、後半8分、アメリカにボールを繋がれて、最後はロイドのミドルシュート。福元の届かないサイドネットに突き刺さりアメリカが2点差に突き放す。

後半13分、なでしこは阪口に代えて田中明日菜を投入する。

後半17分、なでしこがボールを繋ぎ、宮間のスルーパスから大野が折り返して澤がシュート。このこぼれを澤が狙うがブロックされる。このこぼれ球を大儀見が押し込んで、なでしこが1点差に詰め寄る。

攻撃のときは、澤がトップ下に近い位置まで上がり、田中がワンボランチ気味となる。

後半20分、宮間のミドルシュートは枠に飛ばず。さらに、後半28分には宮間のFKに岩清水が合わせるがブロクされる。ゴール前で混戦になるが日本のファウルになってしまう。

後半32分、鮫島に代えて岩渕を投入。川澄がサイドバックに下がり岩渕が左SHに。ただ、川澄も前目に位置どっていて3バック気味になる。

セットプレーからチャンスがあったが、アメリカに跳ね返される。

後半37分、岩渕が相手からボールを奪ってそのまま切れ込みシュートも、ソロのビックセーブでゴールならず。

後半40分、大野に代えて丸山を投入。

なでしこの懸命の反撃も及ばず。1-2で敗戦となった。なでしこが銀メダル、アメリカが3大会連続の金メダルとなった。

なでしこジャパン ロンドン五輪 決勝 vsアメリカ女子代表 試合終了時フォーメーション
13.丸山 17.大儀見
16.岩渕 8.宮間
10.澤 14.田中
9.川澄 2.近賀
3.岩清水 5.熊谷
1.福元

戦評

試合全体としては、前後半の頭に失点してしまったのが大きく響いた。1点目も2点目も相手に押し込められてのシュートで、なんとか手前で防ぎきりたかったところ。

しかし、この日のなでしこは、らしさを見せてくれた。ブラジル戦、フランス戦ではなかなかボールをつないだなでしこらしいサッカーが出来なかったが、アメリカ相手になでしこのサッカーでチャンスを作り続けた。

ただ、この試合、得点をいいところで決めたのはアメリカの方。日本は、再三バーやポストにシュートが当たったりと、運もなかった。十分に得点をとれるチャンスがあっただけに、そこは非常にくやしい。

この日、なでしこがとった1点は、GKの福元を含めて全員がボールを繋いだ末のゴールだそうだ。テレビを見ていて気づかなかったが。これぞ、なでしこというゴールだったのだ。

なでしこは、敗れたとはいえ堂々の銀メダル。昨年のW杯決勝に比べれば随分とアメリカ相手に互角の勝負が出来たと思う。この1年の成長が見て取れた。

勝負事なので、どちらかが勝てばどちらかが負ける。それでも、この勝ち進んでアメリカとのリターンマッチに挑めたのは大きい事だ。

試合直後の涙にくれていた彼女たちが、表彰式のときには晴れやかな笑顔で現れた。これが、なでしこの強さだと思った。

精一杯力を出し尽くした末の銀メダル。堂々と胸を張って帰ってきてくれればいい。

表彰式の実況でアナウンサーが「アメリカがいたからこそ日本が強くなれました」と言っていたが、まさにその通りだと思う。なでしこは強いアメリカの背中をずっと追ってきた。アメリカに勝つために、自分たちのストロングポイントを磨いて、なでしこのサッカーが世界に認められた。
アメリカも、今ではそのなでしこジャパンをリスペクトしてくれている。これからも、強力なライバルとして立ちはだかってくれるだろう。

9月で契約が切れる佐々木監督は、退任とい噂だ。まだ、本人の口からは明言されていないが、オリンピックでの銀メダルはいい区切りだし、可能性は高いだろう。

北京五輪、ドイツW杯、ロンドン五輪と歩んできた、佐々木監督率いるなでしこジャパンの冒険の旅は一旦終了する事になる。

このオリンピック後に、代表を辞める選手も何人か出てくるだろう。そして、もう1度4年後のオリンピックを目指す選手も多くいるだろう。

オリンピック後には、日本で女子U-20W杯も開催される、この世代からもどんどんなでしこジャパンに入ってきてほしい。

しばしの休息を経て、再びなでしこの冒険が始まる。そのときまで待とう。

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