東京オリンピックのサッカー競技はすでに全日程を終えていますが、なかなか時間がとれなくて書けていませんでした。
という事なので、個々の試合はやらず、ざっくりとなでしこジャパンの試合を振り返ってみたいと思います。
GL vsカナダ
開始早々の失点が痛かった。その後、なかなかチャンスを作れずじまいでした。なでしこの動きもよくなかったですね。ミスパスも多かったですし。
流れが変わりかけたのは、VARからのPKゲット。田中美南が外してしまい、追いつけずでしたね。このPKの前に相手GKが怪我で万全の状態ではなかったはずですが、コースが甘くなってしまいました。
ここで流れを掴めなかった事で、またカナダペースに。なでしこは、遠目からのシュートはあっても決定機はつくれず。このまま終わるかと思いましたが、エースが決めてくれました。岩渕が一発で裏をぬけだして、絶妙のシュート。VTRで見ても、どこ通したのかわからないコースでしたが、きっちり決めてくれました。
こうなると、PK失敗が非常にもったいなかったなと思います。これで、引き分けスタート。厳しいグループリーグで勝てるチャンスを逃しのは痛かったですね。
GL vsイギリス
一戦目よりは、なでしこもボールが回せるようになった感はあります。ただ、積極的にシュートを打つ場面もありましたが、やはりミドルが多かった印象。これも、精度があればまた別なんでしょうけど。
後半は、イギリスペースでした。それでも、ずっと凌いでいたんですけどね。ここまで抑えていたホワイトにゴールを許します。あの場面、ちょっと簡単にクロスをあげさせすぎた。
今回のなでしこの実力から言えば、イギリスは格上かもしれませんが、優勝した2011年W杯でもイングランドに負けているし、なぜか苦手なんですよね。苦手以上の差はあったので、なんとも言えないですが、ホントに勝てないな。
GL vsチリ
今回のグループで、唯一の格下ではあります。ここで勝てば決勝トーナメント進出だったので、まずは勝つことではありました。
ただ、相手のチリも弱くなかったし、チャンスは狙ってましたね。守備でかなり手こずって、なかなかゴールをこじ開けられない展開でした。結局、決勝点は、後半32分。岩渕から田中美南に渡ってのゴール。結局、この1点どまりでした。
この3試合、どれも苦しみましたが、3試合で2ゴールというのは、ちょっと厳しいですね。
準々決勝 vsスウェーデン
この試合、カナダ戦と同様に序盤に失点してしまいます。それ以降もしばらくはスウェーデンペースで試合が進みました。
ただ、23分に、長谷川のクロスに田中美南が合わせてゴール。ここから、なでしこらしいサッカーが、見られるようになります。チャンスもつくっていたので、一気に逆転に持って行きたかったところでした。実際、この時間帯に得点が取れなかったことが勝敗にも響いた形になったと思います。
後半、スウェーデンがギアを揚げてきます。早々に追加点で、リードを奪います。さらに、PKで追加点。これで、万事休した感がありました。4試合で3点しか取れていない攻撃陣が、ここで2点差をひっくり返す力はありませんでした。
地元開催の東京オリンピックはベスト8で終了。女子は、12チームですからね。ちょっと、これは立て直しが急務となりそうです。
総括
高倉監督が就任してからの5年。これが集大成の結果かと思うと残念で仕方がないですね。おそらくは、アンダー世代監督時代のでの秘蔵っ子たちを多く起用して、やりたいサッカーを実現させたかったんでしょうけれども、結果は伴いませんでした。
実際、若い選手は上手い選手がおおいんですけれでも、格上のチーム相手だと、まずフィジカルのところで負けてしまって、テクニック自体を活かせる場面が少なかったですね。相手より多く動いて、パスを回して、攻め込むというなでしこらしいサッカーがほとんどの時間帯で出来ませんでした。自分たちの時間帯になっても、ちょっとしたパスコースのずれとかがあって、スムーズに回せなかったりもしましたから。
ドイツ女子W杯で優勝してから10年。世界は、なでしこの成長スピードをはるかに越えてきました。とくにヨーロッパ勢は、ドイツやスウェーデンなどは強豪国でしたが、それ以外の国々も男子で強豪国と言われているようなところは力を付けてきましたね。
これは男子も昔はそうでしたけれども、フィジカルで勝てないから他のところでというのは考え方としてはありですけれど、今の男子フル代表が強くなってきたところは、フィジカルコンタクトで対抗できるようになってきたところも大きいのですよね。女子も、フィジカルコンタクトから逃げてばかりでは、先に進めない気がしますよ。それで勝負出来て、なでしこの足元の上手さが生きてくるはずですからね。
高倉監督は退任が噂されています。お疲れさまでした。次、誰が監督になるかは、わかりましたが。なでしこらしいサッカーをする為にはいっそうの厳しさが必要になりますよ。ここら辺を、落とし込める人材だと