FCWC'16決勝戦は、レアル・マドリードvs鹿島アントラーズとなりました。
今大会、鹿島は、開催国枠でJリーグ王者として出場しました。オセアニア王者、アフリカ王者そして南米王者を破って堂々の決勝進出となりました。
少し、時間が経ってしまったので、ざっくりと試合を振り返ってみたいと思います。
試合経過
鹿島は、今大会怪我の影響で、途中出場が続いていた金崎が先発に回りました。
鹿島は、いつもどおり球際で厳しくでる上々の出だしとなりました。ただし、先制したのはレアル。前半9分、レアルが右サイドからのクロス。跳ね返したボールをモドリッチがミドルシュート。これは曽ヶ端が弾き返したものの、ベンゼマがつめてゴール。なんなくレアルが先制します。
この直後の鹿島の攻撃では、右サイドからのクロスに、落としたボールを小笠原が強烈なミドルシュート。枠は外れたものの反撃の狼煙をあげます。
この後、レアルがペースを握るものの、少しトーンダウン。鹿島は、守勢に回りながらも何度かシュートチャンスを作り出します。そして、レアルの攻撃は、鹿島守備陣が人数をかけてシュートコースを塞いで、シュートは曽ヶ端が防ぎ続けます。
そして、向かえた前半44分、鹿島は左サイドから土居がマイナスのクロス。柴崎がワントラップしたボールはやや長くなるがこれをボレーで流し込んで鹿島が同点に追いつく。
さらに、後半7分、レアルのクリアボールを拾った柴崎がドリブルで攻め込む。相手DFから逃げる動きからのミドルシュート。これがゴール左隅に吸い込まれて、鹿島が逆転に成功します。
しかし、後半15分、鹿島はペナルティエリア内で山本が相手を倒したとしてPKの判定。これを、クリスティアーノ・ロナウドがきっちりと決めてレアルが同点に追いつく。
その後は、ギアをあげてきたレアルが鹿島ゴールに迫る展開が続く。鹿島は、守勢に回るもののゴールは許さず。
鹿島は、後半43分、ファブリシオが強烈なミドルシュートも弾き出される。さらに、後半ATには左サイドからのクロスに、金崎がスルー。遠藤が右足で狙うが枠を外してしまう。
試合は、延長戦に突入する。延長前半8分、ベンゼマからの縦パスを受けたクリスティアーノ・ロナウドが素早くトラップしてシュート。これが決まってレアルが勝ち越しに成功する。
延長前半11分、鹿島はFKから、鈴木優磨がヘディングシュートもバーに当ててしまう。
延長前半13分、レアルの右サイドからのクロスははねかえすが、これを拾ったクロースの縦パスを受けたクリスティアーノ・ロナウドがシュート。これが決まって、4-2と突き放す。
延長後半、反撃したい鹿島だったが、疲れもありなかなか攻撃にでれず。試合は、このまま4-2でレアルが逃げ切った。
戦評
いやあ、鹿島は本当にいい試合をしました。実際に、Twitter上でも普段は鹿島を敵対している人たちも応援に回るくらいでしたから。
今大会、鹿島は前半は守勢に回る事が多く、後半に修正して勝ち切るという試合が続きました。この試合では、前半から鹿島の厳しい守備が光りました。
前半早々にレアルが先制した事もあって、少しレアルの選手たちの動きが緩んだ事も逆に幸いしました。前半は、鹿島が何度か攻め込みチャンスとなるシーンも多かったと思います。それだけではなく、前半終了間際に柴崎が素晴らしいシュートで同点にまで追いついてみせました。
解説の岡田さんが言っていたように、前半に追いついてきた事で、後半レアルがギアを上げてくるのではと思われましたが、ゴールを奪ったのは鹿島でした。少し、レアルの守備が緩かった事もありますが、柴崎が相手をかわしながらのミドルシュート。
鹿島は、すぐにPKで同点に追いつかれます。鹿島としては、もう少しリードしている時間を増やしたかったところです。ただ、再逆転にむかって時間が残されていたのも確かです。
同点に追いついたレアルが少しギアを上げてきて、防戦一方になる時間帯もあったものの、これを凌ぎきりました。後半終盤のチャンスを生かして勝ちきれればよかったのですが、延長戦にもつれ込みます。
長旅の影響や時差の影響もあり、準決勝から中1日短いレアルの方が疲れが見えるかもとも思えましたが、先に動きは鈍ってきたのは鹿島でした。Jリーグチャンピオンシップから続く連戦であった事もあり、延長戦ではさすがに足が止まってきました。
結局、延長前半に、Cロナの2ゴールで突き放されてしまい負けてしまいました。延長後半は、疲れもあってかチャンス自体あまり作れず。
残念ではありましたが、堂々とした戦いぶりは世界中から賛辞の嵐でした。
これまでも、FCWCに出場したチームが善戦する事はありましたが、決勝に進んだ事はありませんでした。欧州王者との対戦もありましたが、決勝ともなると注目度がやはり違うのでしょうね。
次大会は鹿島が、そしてJリーグがFCWCの出場権を得るにはACLを勝ち抜かなければなりません。ある意味、FCWCを勝ち抜くより大変になっているここ最近のACLです。Jリーグのチームは、どうしてもACLだと相手のやり方に慣れるのに時間がかかってしまい力が発揮しれない傾向にあるのが残念です。なんとか、ACLで優勝するチームを出したいですね