カナダ女子W杯、準決勝 なでしこジャパンvsイングランド女子代表の試合をNHK BS1の中継でテレビ観戦しました。
イングランドは前回大会のグループリーグで戦って黒星を喫した相手。通算成績でも、まだ勝利がありません。なでしことしてはやりにくい相手ですが、ここまで来たら決勝に勝ち進んでもらいたいところです。
試合展開
なでしこの先発は、GKに海堀、CBに岩清水と熊谷、右SBに有吉、左SBに鮫島、ボランチに阪口と宇津木、右SHに川澄、左SHに宮間、2トップに安大儀見と大野という布陣でした。
オランダ戦、オーストラリア戦と同じ顔触れとなりました。勝ってきているメンバーだけにいじる必要はないという事でしょう。
イングランドが序盤から積極的にボールを放り込んでくる展開となります。いきなりシュートまで持ち込まれるものの、枠には飛ばず。
なでしこは、ボールをつなぎながらチャンスをつくろうとするものの、パスミスなどでリズムが作れず。
イングランドは、遠目の位置からのFKでもゴール前に放り込んできて、押される展開となる。
それでも、なでしこは前半20分、鮫島から左サイドの宮間へボールが通ると、宮間がしかけて一度下げたボールに鮫島がミドルシュートもバーの上を越えます。
さらに、前半22分、なでしこはFKから大儀見を狙うが、これはオフサイドとなります。
イングランドは、ロングスローからおさめたボールをシュートも枠を外れます。
なでしこが、パスワークからチャンスを作りかけるものの、決定機とはならず。
イングランドは、どんどん長いボールを入れてくるが、決定機は作らせず。
前半31分、ロングボールに有吉が抜け出したところを倒されて、PKの判定となる。
このPKを、宮間が落ち着いて決めて、なでしこが先制点を奪います。
しかし、ここからイングランドが攻勢に出ます。ロングスローからのこぼれ球をシュートもバーの上を越えます。
前半39分、イングランドのCK。混戦の中で大儀見がファウルを取られてPKを取られます。
これを、きっちりと決められて、同点に追いつかれてしまいます。
なでしこは、前半終了間際のセットプレーのチャンスはゴールにつながらず。前半を終えて1-1で折り返します。
後半もイングランドが押し込む展開となります。
立ち上がりから、続けてロングスローを入れてくるものの、これは防ぎ切ります。
後半7分、なでしこのCK。ニアにボールを送るもののクリアされます。
イングランドは、後半9分、遠目からのFKに頭で合わせるもののバーの上をこえます。
なでしこは、セットプレーのチャンスもシュートに持ち込めず。
後半17分、なでしこがスローインからのクリアボールを拾われて、シュートを打たれるも、クロスバーに当たって助かります。
さらに、後半19分、イングランドのシュートは海堀が横っ飛びで防ぎます。
このCKは、頭にピタリと合わされるものの、わずかに左に外れて事なきを得ます。
後半25分、大野に代えて岩淵を投入します。
その岩淵が左サイドでボールを受けて、ドリブルで仕掛けてボールを入れるが、大儀見には合わず。
さらに、岩淵がボールを受けて、今度はシュートで終わるも左に外れます。
後半31分、宮間が左サイドからボールをいれて阪口が頭で合わせるものの、左に外れてしまいます。
岩淵の投入で、流れをつかみかけたものの、イングランドは徹底してロングボールを入れてきて、なでしこのペースになりきれず。
イングランドがFKからも、どんどん放り込んでくるものの、なんとかしのぎ切ります。
あでぃしょなるタイムに突入した、後半47分、なでしこは右サイドの川澄にボールが出るとフリーの状況に。川澄が早めにボールを入れてくると、イングランドのクリアボールがバーに当たって、そのままゴールイン。土壇場で、なでしこが2-1と勝ち越します。
残り少ない時間をしのいで、なでしこが2大会連続の決勝進出を決めました。
戦評
イングランドの徹底したロングボール攻勢に苦しみました。パスミスもあったとはいえ、なでしこは持ち前のパスワークがあまりみられず。なかなか、チャンスも作れない状況でした。
前半の有吉がえたPKはペナルティエリア外だったと思うのですが、イングランドのPKの場面も大儀見はまったく触れておらず。帳尻PKのような形となりました。レフェリーの活躍で1-1となりました。
後半は、イングランドの攻勢に、中々ラインを上げられず。後半、シュートを打ったのは、岩淵が投入されてからだでした。
決勝ゴールは、イングランドのオウンゴールという事で劇的な幕切れとなりました。あの土壇場で、オウンゴールをしてしまった選手は大泣きでしたね。まさに、天国と地獄という様相でした。
ただ、あの場面は、川澄がまったくフリーな状況で、ニアに大儀見、外に岩淵。後ろからは宮間も走ってきていたので、誰かがさわれば1点という状況だったので、足を出さざるを得ない状況ではありました。
オウンオールとはいえ、運だけではなく、川澄のいい判断とボールの精度が生んだゴールでした。
なでしこジャパンは、ロンドン五輪以降なかなか世代交代が進まず。アルガルベなどでも結果が出ない状況が続いた事もあり、今大会での優勝は難しいかもという気もしていましたが、見事に試合ごとに成熟度が増してきました。
ついに、連覇まであと1勝というところまでやってきました。アメリカは、ここまで、グループリーグ、決勝トーナメントと当たった相手よりも、さらにレベルの高い相手です。実力差にギャップを感じてもおかしくはありませんが、苦しい試合をものにしてきたというところで、我慢強さはついたと思います。
アメリカ相手だと、かなり押される展開となるとは思います。あとは、疲れが出てきている先発陣がどこまでリフレッシュできるかでしょうね。
なでしこは、グループリーグから1-0、2-1、1-0、2-1、1-0、2-1というスコアですから、次は1-0での勝利の番でしょうか。そう、うまくはいかなかいかもしれませんが、サブのメンバーを含めて総力戦でものにしてもらいたいですね。